令和7年度のベースアップ評価料実績報告(様式100)を作成する担当者の方へ。
「注5」を算定している外来・在宅施設では、収入実績額の計算方法が入院と異なります。この違いを把握せずに様式100を作成すると、報告内容に誤りが生じる可能性があります。
病院でシステム・医事を12年担当した立場から、この「計算方法の違い」を解説します。
そもそも「ベースアップ評価料の注5」とは
ベースアップ評価料は、医療機関スタッフの賃上げを支援するため令和6年度改定で新設されました。
注5は「令和7年度以前から継続して賃上げを実施していた施設」が算定できる、点数の高い区分です。
主な要件:
- 令和7年度以前からベースアップを継続して実施していること
- 賃上げ実績を厚生労働省に報告すること(様式100)
「もともと頑張って賃上げしていた施設には高い点数を」という設計です。
様式100(実績報告)とは
様式100は、算定した評価料に基づく賃上げが実際に行われたかを確認するための書類です。
主な記載項目:
- 評価料の算定開始月
- 収入実績額(評価料で得た収入合計)
- 賃上げ実施額(スタッフへの給与増加額)
この「収入実績額」の計算方法が、外来・在宅と入院で異なります。
なぜ計算方法が違うのか
注5の点数には、令和6年度改定で新設されたベースアップ評価料相当分が含まれています。
つまり注5の点数は「本体点数 + 令和6年改定分の加算相当」という構造です。
様式100で「収入実績額」を計算するとき:
| 区分 | 計算に使う点数 |
|---|---|
| 外来・在宅(注5算定施設) | R6改定分を除いた本体点数のみ |
| 入院 | 実際に算定した点数をそのまま |
外来・在宅で注5を算定している施設は、「実際に算定した点数」をそのまま使ってはいけません。令和6年改定分を差し引いた本体点数で計算する必要があります。
間違えた場合のリスク
外来・在宅で注5算定施設が「実際に算定した高い点数」のまま収入実績額を計算すると:
- 収入実績額が過大になる
- 「賃上げ実施額が収入実績額を大きく下回っている」ように見える
- 実態に即さない報告内容として指摘される可能性がある
担当者へのチェックポイント
- 自施設は外来・在宅での注5算定があるか確認する
- 様式100の収入実績額の計算式を確認する
- 注5算定分はR6改定相当分を除いた点数で計算する
- 入院算定分はそのままの点数を使う
- 外来・在宅と入院を分けて計算しているか確認する
医療機関12年の経験から
この種の「計算方法の違い」は、実務担当者が最も見落としやすいポイントです。
通知の本文を読むだけでは気づきにくく、「当然こうだろう」と思い込んで計算してしまいがちです。様式100の提出前に、必ず「自施設の算定区分(注の番号)」と「計算根拠となる通知」を照合する習慣を持つことをお勧めします。
担当者だけでなく、施設基準管理の責任者・医事課長クラスへの周知も合わせて実施してください。
まとめ
- ベースアップ評価料注5を算定している外来・在宅施設は、様式100の収入実績額計算でR6改定分を除く
- 入院はそのままの算定点数を使う
- 違いは保医発0305第8号への追記として通知されている
診療報酬の実務でお困りの際や、AI活用による算定チェック自動化のご相談は、お気軽にどうぞ。